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第2回 いばらきeスポーツアカデミー(つくば) レポート

文:いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト推進協議会 事務局  小野 さおり


 第1回アカデミーから2週間後,2020年2月20日に,つくば文化会館アルスにて「第2回いばらきeスポーツアカデミー」が開催されました。
 この日は,県内外の企業や自治体などから42名の方々が参加してくれました。
 今回お招きした講師は,国立病院機構八雲病院 作業療法士の田中栄一氏と,株式会社日立システムズ eスポーツ部 部長の杉山治氏の2名でした。
 八雲病院の田中氏は「バリアフリーのeスポーツを目指して」をテーマに,同病院で筋ジストロフィー患者のリハビリテーションにeスポーツを取り入れた事例を紹介しました。
 「なぜ病院でeスポーツを取り入れているのか」この質問をよく聞かれることについて田中氏は「ゲームはコミュニケーションであり,一緒にやるといろいろな気づきが相互にあり,どうしたらいいのだろうかということも考える機会になる」と話します。函館のイベントでNTT東日本eスポーツ部のキャプテンが筋ジストロフィーのプレーヤーと初めて対戦した当時の話を交えながら,「eスポーツを通じたコミュニケーションは様々な可能性を秘めており,新たな発見があるはず」「身体能力の低下により気持ちも下がってしまった,そんな孤立した人たちをつなぐ力がeスポーツにはある」「eスポーツで実際にパフォーマンスを発揮する方法や,ゲームがしやすい環境などを,障害の領域から学ぶことはいっぱいあることを伝えたい」と熱く語ってくれました。「障害がある人のeスポーツの参画が,全体の利益,社会を変えることになるのではないか」と田中氏は見据え,今後障害者のeスポーツ普及に向けた活動を始めていくことを宣言しました。
 日立システムズの杉山氏は「eスポーツを通じた企業活力向上施策」をテーマに,同部を設立した経緯や社内外交流の活性化などの効果について,大きく2点を紹介しました。
 一つは世代や組織を超えた社内交流の活性化を図っていること,もう一つは企業間コミュニケーションツールとしても有効でないかということです。
 普段のeスポーツ部の活動内容から,社外イベントで多くの企業を相手に対戦した体験談も話してくれました。このことについて杉山氏は「eスポーツは利害関係のないコミュニケーションツールとしても非常に有効」「今後は,企業間のコミュニケーションに積極的に活用していきたい」と話しました。最近はeスポーツと障害者活躍支援のため講演会や体験会を開催しているという杉山氏。今後はさらに企業プランディングにも取り組んでいく意気込みのようです。

■「2020年03月31日付茨城新聞」に掲載されました。

2020年03月31日付茨城新聞

■「2020年02月25日付茨城新聞」に掲載されました。